「心配しないでください……」

と、三日月が言う。

「彼は、あなたのためにも、必ず目覚めるはずですから……」

「うん…」と、うなづく。「つまらないことを言って、ごめんなさい……」

「いいえ…理沙。彼のそばに付いているあなたが、本当に辛いことは…わかっていますから…」

「三日月…私…」

止めていた涙が、こぼれ出る。

「ええ…大丈夫ですから……だから、泣きたければ、泣きたいだけ……」

三日月の服にしがみつくと、彼が腕をまわし、背中を固く抱いてくれた……。