届いて欲しい。

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誰も喋らない静寂の中。




蒼空は部屋の真ん中に敷かれた布団に
寝かされていた。


その体にはまだ痛々しい包帯が巻かれていた。


返り血がよほど多かったのか
包帯にまで染み込んでいた。


その包帯にてをかけていくのは華。
横で目をそらすのは智。


そこに新しい包帯を持った山崎と
実咲が入ってきた。

ちょうどほどき終わった頃
息を呑む彼女らと睨みつける土方がいた。

「君たちは彼女の傷を全て見なきゃいけない。」



山崎は眠る蒼空の上体を起こした。


華の瞳から涙が一筋溢れる。


「これを見ても貴方達は蒼空さんが
何も苦しまず、彼等に守られてきたと
まだいいますか?



この傷は消えませんよ。
きっと蒼空さんはずっと包帯を巻き続けます。」




山崎の静かな声に華の涙は決壊したように
あふれる。