華の指さす先に目を向ける。


そこに見えたのは
桜。



薄桃色のさくら・・・

ではなく、

紅をさした唇のように
やけに美しくなまめかしい桜。


華に桜なんてあったかと
尋ねようと口を開いたとき、
会場が真っ暗になった。


女の子の悲鳴が所々で聞こえる。




華は私の腕にしがみついて黙っていた。