届いて欲しい。


やっと意識のハッキリしてきたころ。

濃紺の着物に身を包んだ少年が横に
片膝を立て、刀を懐に抱くようにして
座っていた。

出会った時は髪を結っていたが
今はおろされていた。


「っ。ねぇ。」

喉が乾いて声が掠れる。





「水飲む?」



長髪の少年が湯呑に注いでくれたのに
体がいうことを聞かない。


左肩と右の腰から脇に掛けての怪我があることは
覚えていた。


けれど、右手を立てて力を入れようにも
痛みで動けない。


暖かな腕に支えられた。

少年がゆっくりと起こしてくれていた。