『どうぞ。』 客間の襖(ふすま)を開き、 敷かれている座布団に座る。 「えっと…類にも話せない話って何?」 そわそわして落着きがない朱音さん。 私もこんなお願いをするなんて 思ってもみませんでした。 『朱音さん、私の婚約者になって下さい。』 「…ほへ?」 予想通りの反応をありがとうございます。 開いた口が塞がっていませんよ。 『正式には婚約者のフリ…です。』 想い人にこんな事を頼むなんて、しかも人妻。 ですが…頼めるのは朱音さん以外に居ません。 下心がないとは…否定しきれませんが。