「…それじゃあ。」


『あ……。』


俺の横をすり抜けて彼女は校舎に向かう。


態度に驚いたけど、容姿にも驚いた。

髪は藍色のショートヘアー
瞳の色はグレー

俗に言うカッコ可愛いって感じだ。


「はぁ!?何、あの女!!!」


「アイツって二年じゃない?
來嶋 藍(らいじま あい)
ほら、家がさ…。」


「あー…なるほどね。
親が親なら娘もあんな風に育つんだぁ!」


「天空くぅん!大丈夫ぅ??」


周りが勝手に盛り上がってる。
それでも俺は気丈に振舞って立ち去る彼女から
目が離せなかった。


『…大丈夫、な訳ないよな。』


唇噛み締めて、必死に耐えてるみたいだった。