紘side


「そろそろ中に入るぞ。」


『あ、うん……。』


俺が誘うと朱音は素直に付いて来る。


朱音が俺ら以外の人に会うのは
これが初めてだ。

作法は全部母さんが教えたし、
勉強は朱音が一人でやり遂げたからな。


「朱音、怖いか?」


『……少し。

でも、紘にぃが楽しそうにしてるから
良い人達なんでしょ?』


俺、楽しそうにしてるのか(笑)


「あぁ、俺の仲間だ。
きっと…朱音も気に入ると思う。」


『………………うん。』


間の空いた返事に苦笑いしつつ倉庫に入った。


紘sideEND