双姫 IV 番外編



「ご、ごめん…。」


失ったら二度と戻らない。
置いて行く側も置いて行かれる側も辛い。


そんなのもう…見たくもない。


『今回はたまたま助けた。
でも、次は無いから。』


何が正しいのか、何が間違っているのか
今の私には完全に分からない。


「待って!」


『何…。』


差し出されたのはハンカチ。


「助けてくれてありがとう。」


掌に巻き、笑顔でお礼を言われた。


『わ、私よりソイツらの事を
心配しなさいよ!』


「待って!名前は!?」


『…ッ……『双姫』!!』


今迄、私に向けられる言葉は
悪意ばかりで良いものでは無かった。

蒼空以外に初めて言われた善意…。


居たたまらなくなった私は
その場から逃げる様に走り去った。