「いつもそうしてますね。」 『へ?』 不意に声を掛けられたせいか 裏返ってしまった。 「私が貴女を見掛ける時、 いつも空を見上げています。」 嘘…そうだっけ? 『空は蒼空の色だから……。』 だからかも知れない。 自分でも知らずに蒼空を求めて、 空にすがっているのかも。 「妹が大好きなんですね。」 『自分の妹を嫌う姉が…ううん。 最初は嫌いだった。』 なのに蒼空は私が辛い時に 側に寄り添って手を握ってくれた。 でも、今は…握り返してくれる手は どこにもない。