待ちに待った土曜になった。
今日はプールに行くんだ。
楽しみすぎて、家を早く出てしまった。
集合時間は十時なのに、集合場所についたのは予定より十分早い九時五十分。
「みんな、まだかなぁ...。」
そうつぶやきながら、頭の中には拓くんが浮かんでいた。
キキーッ。
自転車がブレーキをかける音。
あっと顔をあげると、拓くんがいた。
「あ、拓くん。」
「海華、もう来てたの?」
「うん。」
普段会うのと学校で会うのとでは感覚が違って、ドキドキした。
「...集合時間まで待ちきれなくて。」
私が言うと、拓くんも、
「...オレも。楽しみすぎて。」
と目をそらして言った。
拓くんもだったんだ。

