「何してるの?いじめなんてやめなよ。」
あるとき、同じクラスの葵衣ちゃんが言った。
トイレでアイちゃんとマヒロちゃんにいじめられていたとき。
「へぇ?葵衣ちゃんに関係ある?口突っ込まないで。」
アイちゃんに言われても、葵衣ちゃんは言い返す。
「関係あるよ。同じクラスだもん。いじめは取り返しのつかないことになるんだよ?それ考えてるの?」
「関係ないでしょ。うるさい!」
アイちゃんはこれ以上言い返す言葉がみつからなかったのか、そう言葉を残して怒った様子で行った。
「秋華ちゃん、大丈夫?いじめられてるの、気づかなくてごめんね。」
いじめられて初めて、心配の言葉をかけてもらえた。
うれしくて。
これまで我慢していた気持ちがブワッと出てきた。
「...うぅ...っ。」
涙が溢れてきた。
葵衣ちゃんは、そんな私を優しくなぐさめてくれた。

