君を待ってるから


家に帰ると、誰もいない家。
不気味なくらい静かだ。

「今日も遅いんだろうな...。」

お母さんとお父さんはいつでも私のために何でもしてくれる。
仕事も限界なくらいやってて、相当疲れてるはず。

「そういえば...。」

今日って何日だっけ。
秋といえば、何かあったような...。

「ただいまー。」

ガチャンと音がして、突然声が聞こえた。

「あ、シホ。帰ってたのね。」

お母さんだった。
今日はやけに楽しそうで、たくさんのビニール袋を抱えている。

「どうしたの?それ。」

お母さんはビニール袋を下ろして一息ついた。

「ビール、お酒、お菓子、ジュース買ってきたわよ!」

なんで?と思っていると、お母さんは私の考えていることを口にした。

「今日、この家に引っ越してきた記念日でしょ。」

何かあったような気がしてたのは、それだ。