寝たのが朝方だった2人。
14時頃先に目を覚ましたのはサクラだった。
「ん…」
窓の外を見ると雨は止んでいて、眩しいほどの日差しが部屋に差し込んでいた。
ふとソファに目をやると、愛しいアキラの姿。
寝顔見たさに近付くサクラ。
「……可愛い」
クスクスと笑うサクラ。
サラサラの黒髪に手を伸ばし、優しく撫でると、ピクッと動いた。
「ん……?」
薄っすらと目を開けるアキラ。
「サクラ…?」
「わ、ごめん。起こしちゃったね」
寝ぼけてるアキラも可愛い。
「…今何時……?」
「14時だよ。まだ時間あるしもう少し寝ててもいいよ?」
「んー…」
「ふふふ、アキラまだ眠いんでしょ」
目をこすり、少し上体を起こしたアキラ。
「でも折角サクラと居れるのに寝てたら勿体ねぇから起きる…」
何気無く言うアキラだが、サクラの顔は真っ赤になる。
アキラはずるい。
たった一言であたしの心を大きく揺さぶるんだもん。
「サクラ何時に店行く?」
「今日は17時頃で大丈夫」
「りょーかい。一回家帰る?」
「んーん。平気」
化粧道具は持っていたし、帰るのも面倒だったサクラはそのまま仕事場に向かうことにした。
「あ、でも服昨日のまんまだ」
「俺の適当に着てけば」
「あ、いいの?じゃあそうする」
そういって結局アキラの服を借りることに。
下はさすがにサイズが合わないので昨日履いてたスキニーで、上だけアキラのトレーナーを借りた。
「お昼ご飯はあたしが作るよ」
「お、まじで?」
アキラの目は輝いた。
「味は保証しないけどね?」
「サクラが作ってくれんならなんでもいい」
好きな人に作ってもらう初めての手料理。
「冷蔵庫使ってい?」
「あんま色々無いけどいいなら」
そしてサクラは冷蔵庫を物色し、オムライスを作ることにした。
作っていると部屋中に良い香りが充満した。
「腹減った〜早く食いたい」
「もう出来るよ〜」
半熟卵のオムライスの完成。