唇に何か少し私の体温より低めの柔らかいものが当たって、私は目を覚ました。







目を開けると藤沢の顔で視界が満たされていた。





わっ、と驚いて顔を仰け反らそうとするも、
彼に阻まれる。






いつの間にか私の頭の後ろにまわっていた藤沢の大きな手が私の行動を妨げている。






「逃げんなよ」






藤沢は充足感に満ちた顔をしていた。






改めて藤沢を見ると、彼の整えられていない髪のせいなのかいつもよりさらに色気が惜しみなく放出されている。





着替えたらしい白いシャツはまだボタンを上の方まで締めておらず、そこから覗く鎖骨も胸筋もまた彼の色気を増長させている。





鎖骨フェチだとか、胸筋フェチだとかそういう趣味はなかったはずだけど、藤沢のきれいなそれらを目の当たりにすると、ドキッとしてしまう。