長々と、哲学みたいに、キリストかなにか宗教の教えみたいにそんなことを言った。
これは私の考えだし、そうではないと考える人も多いかもしれない。
だけど、これがこの二人の悩んでいることの何か助けになればと思った。
「……確かに、紀田の言う通りだな。」
櫻井さんがふっと笑った。
花依さんもクスクスと笑っている。
「何を難しく考えてたんだか。俺は花依との子供が嬉しいし、花依も同じ気持ち。結局そうだよな。」
紀田、ありがとう。と櫻井さんがいつもの笑顔で笑った。
花依さんもありがとうございました、と言って二人はぬるくなったコーヒーを飲んでから笑顔で手を繋いで私と別れた。

