櫻井さんがそう言った時、花依さんが身体を硬くした。 「尋文はそう言うけど、本当は私があれをいつもの所から全部隠したし、気付いてないと思うけど、最中に尋文が探そうとした時、そのまま続けるように誘導したのも私なのっ…!」 語気を強めて花依さんはそんなことを言った。 顔を真っ赤にして、恥ずかしさに顔を隠したいという気持ちと伝えたいという気持ちで櫻井さんを下から見つめた彼女。 彼女の目は先程よりも更に強い意志を持っていた。 大人しいけれど、頑固なところもある人なんだろうなというのを確信した。