翌日、特に目的もなく電車で5駅離れたところの駅ビルを一人でブラブラしていると、見知った顔を見かけた。
まさかこんなところで会うとは思わなかった相手に驚く。
だって櫻井さんの家からは7駅離れていて、しかもたくさんある駅ビルの内の一つで会うのだから。
見れば櫻井さんは女性と一緒にいる。
かわいいと綺麗を半分ずつ備えたような、男も女も関係なく思わず頭を撫でたくなるような、そんな感じの女性だ。
櫻井さんがアクセサリーショップに目を向けると、その女性もそちらを見てブースに入っていく。
女性の楽しそうな声が聞こえて、幸せなんだな、よかったと思ってその先のお気に入りのブランドの服の置いてあるブースに向かう。
彼らの後ろを通ろうとした時だった。

