「ありがとな。じゃあな、気をつけて帰れよ。」 櫻井さんは会社の近くの駅から、2駅離れたところに住んでいる。 私は会社のある側とは反対の、駅の向こう側に家があるため、櫻井さんとは駅で別れることになる。 テキーラを一気飲みはしたけれど、お酒に弱くない櫻井さんは顔色一つ変えず確かな足取りで改札へと続く階段をのぼっていった。 私は櫻井さんと彼女がうまく行くことを願いながら家に帰った。