企画部のある3階から櫻井さんの向かった喫煙ルームのある最上階の8階まで階段で行くと、流石に息が乱れた。




運動不足かな、と思いつつ一番奥まで呼吸を整えながら歩いていく。










…….いた。






櫻井さんはこちらに背を向けていたが、ドアを引くとゆっくりと視線をこちらに向けた。





まだ吸い始めたばかりの煙草を灰皿に押し付けようとした櫻井さんを私は右手で制した。




「消さなくていい」と目でも示すと、櫻井さんは少しだけ困った顔をして、煙草を持った手を口に近付けた。