「よかったね、小雪ちゃん。小雪ちゃんも瀬野君のこと好きだって言ってたもんね?」




珍しく意地悪そうに目を細めてそう発言したのはどう考えてもいつもの仕返しだろう。





「………!?ちょっ、紅ちゃん!?」




腕の中で慌てふためく彼女に向ける俺の眼差しが恐ろしいくらいに緩みきっていたことは後に知るが、それくらいこのときは嬉しかった。



しばらくは他の社員からも冷やかされたり祝福されたりした。



俺達がまた仕事に取り掛かったのは社長が騒ぎを聞いて、俺達を冷やかしに来てから。




「やぁ、みんな。瀬野君と橘さんが結ばれたって?いやぁ若いねぇ。この一年で両思いの二人が結ばれたことだし、この会社もそっち方面で売り出していこうかなぁ?はははは。」




どこから得たんだ、その情報は。と思ったのは俺だけではないだろう。







End