ゆいって。
明らかに男の名前じゃないやんな?
「あー?知らんぞ」
「お前ちゃんと見とけよ!」
「また勝手にどっか行ったんやろ」
雄大さんの質問にまた素っ気なく。
白の特攻服を羽織った英寿さんはタバコを吸って吐き出して。
「あの、」
「ゆいって誰なんすか?」
「華風ゆいって子、名前聞いたことないけー?」
「えっと、苗字なら」
「まぁ多分その子かな」
ジュース片手にウロウロ。
後輩達にもウロウロ聞いて。
…てか俺、まだなんも聞いてないんすけど。
役割とか立場…は一番下やろうけど、後特攻服いつ貰えるとか。
「あれ?お前新人?」
雄大さんに置いて行かれてぼっちになっていた俺に誰かが話しかける。
振り返ると灰色の特攻服を着た人で。
「あ、初めまして」
「こんなとこでなに立ち尽くしてんの?」
「いや…これから俺どうしたらわからんくて、でも雄大さんどっか行っちゃうし」
「あ、ほんまや、あんなとこいるやん」
「なんか華風さん?を探してるらしくて」
でもやっぱり華風ゆいって女の名前やんな?
なんでこんなとこに女?
「あの、華風さんて、」
「あー…俺の口からあんま言えへんけど英寿さんが昔拾ったとかなんとか」
「拾った?!」
え、え、え、
てことは彼女?!!
「…ないわ」
こんなとこに彼女連れてくるなんて。
なんか俺が思ってた族と違う。
てか英寿さんと雄大さん…いつからそんなチャラチャラになったんやろか。
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