暫く歩くと、徐々に聞こえるバイク音。
そして眩しくなる光。
「…すげぇ」
男だけの社会。
上の人間には逆らえない場所。
やっぱり族って格好いい。
決して女は立ち入れない、そんな場所が。
「あ?蓮やんけ」
「おー英寿いたいた!勧誘してきたで!」
「お前また勝手に、」
「いーからいーから!ほら挨拶!」
「お、お久しぶりっす!よろしくお願いします!!」
バイクを弄っていたのか、英寿さんの手は軍手を嵌めているけど真っ黒。
雄大さんのおかげで挨拶出来たけど…
やっぱりこの人怖ぇ!!
「兄貴達心配しよんぞ」
「あ、それは大丈夫っす…」
「ほなええけど」
興味なく、素っ気なく。
ちなみに俺には兄貴が二人いる。
まぁでもそんなんいちいち言ってくる人間でもないし。
あ、だから紫織の婿養子になっても問題はない…じゃなくて。
「ゆ、雄大さん」
「んー?」
「こんな簡単に入っていいんすか?」
「まぁ他の連中はそんなわけないけど、お前は特別におっけーっ」
「……………」
周りを見れば当たり前やけど白虎連合の特攻服を着た輩だらけ。
いきなりやってきた俺をすげー見てくる。
隣を見れば雄大さんもキョロキョロして。
ん?
「英寿ー、ゆいは?」
ん?
ゆい?
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