ゆいさんの過去を知らなかったからと許される話じゃない。
本当に人として最低だった。
「ゆいさ、」
返答が返ってこないことに疑問を持ち、顔を上げる。
目に入ったのは再び顔を出した月。
闇夜に照らされた光が映し出したのは
「――っ」
真っ黒の瞳で
俺を見下す無表情。
「……なんて?」
誰かが言っていた。
英寿さん、雄大さん、そして龍の目は人と違うって。
その中でもゆいさんの目はやばいって。
「なぁ?なんて?」
殺されると思った。
体が震えた。
そんな目をこの人は
「なんでも、ないです」
持っている。
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