…もういい。
もう俺はなにも言わない。
「ほなちゃちゃっと済ませて、と」
肩に鉄パイプを置いて、男がゆいさんに狙いを定める。
その笑顔見てるだけで気分悪い。
でも俺はなにも言わない。
だって頼れる人がもうこの人しかいない。
「華風の次は更に上の二人狙おか」
「………あ?」
「幹部さんがこんなもんやったらあの有名な二人もそんなもんやろっ」
「…誰のこと言ってんねん」
男の声にゆいさんが反応する。
声が、低い。
二人ってもしかして。
「和泉英寿と森高雄大に決まってるやろ」
そうか、ここで負けたら二人に危険が及ぶんや。
そんなことも俺は忘れてた。
そしてここで1つ勉強になったことがある。
「…お前らごときが」
ゆいさんの前で二人の名前は
「二人の前に行けると思うなや!!」
感情を無くさせるキーワード。
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