止めんなって。
今さっきまでボコボコにされてたやん。
ちゃんと喋れへんくせに。
俺はあんたを助けるために止めたのに。
「え?なにやってんすか」
「なにって、いくんやんか」
「は?負けますって!」
せっかく男達が引き返そうとしてるのに。
ゆいさんは立ち上がり、歩き出す。
さっきのせいで足を引きずってる。
男達は気付き、にやにやしてる。
「もう…やめましょうよ!」
「うるさい」
「負けを認めましょ!!」
ズリ、ズリ、と少しずつ歩く。
そんな体でどうやって戦うねん。
負ける目に見えてるやんか。
「お、流石幹部さんは違うね」
「いいよー、かもんかもんっ」
ほら、向こうも楽しんでる。
今度は俺が止めてもきっと聞かへんぞ。
「諦めましょうよ!!!!」
歩いてるゆいさんに再び声を掛ける。
、すると振り向き木刀を俺に向かって降り投げて。
って、え?
「お前、さっきからうるさいぞ」
俺の顔の真横で刺さった木刀。
そして眉間に皺を寄せたゆいさん。
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