「……――っ」
一瞬、何が起こったか分からなかった。
でも俺は残念ながら冷静なタイプなんで直ぐに理解を始めた。
「ゆい、さ」
男の一人がゆいさんの足首を掴んでそのまま内側に引っ張る。
バランスを崩し、避けられず鉄パイプが肩に直撃して。
鈍い音が響く。
瞬間的に肩に手を置くけど。
「…いちいち動くな!」
「ぐあっ…!!」
振り向き、足首を掴んだ男の腹を蹴る。
今度こそ男は埋まったままになった。
そんなゆいさんは隙だらけで。
「こっち忘れんな!!!」
「……っ!!」
「可愛い顔やけど、残念やな」
一人が羽交い締め。
もう一人が拳を降り下ろす。
血が、流れる。
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