人数は減ったけど怒鳴り声が公園に響く。
鈍い音、鉄パイプが遊具に当たる音。
砂利の音。
「このっ…!!!チョロチョロすんな!」
「そうせな当たるやんか」
「下りてこいコラァ!!!」
いつの間にかゆいさんは遊具の上に登っていて、男達を見下ろす。
それでもまだ無表情。
そして足に力を込めて、
「言われなくても降りるわアホ」
男の一人に向かって飛び降りた。
「……―まじかよ」
俺の小さな一人言。
それはゆいさんが男と倒れ込んだ音に消されてしまう。
隙を作る前に殴って。
隙を作る前にまた立ち上がって。
「―後、二人か」
華麗過ぎて何も言えない。
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