なんで、どうして。
言葉が出ない。
でもそこにいるのはやっぱりゆいさんで。
そんなゆいさんの足元に転がってるのは俺を殴ろうとしていた男。
「な、んで」
やっと絞り出した声。
ゆいさんに聞こえたかわからない。
相変わらず俺に背を向けたまま。
けど、落ちた鉄パイプを遠くに投げた。
「うちの下のもん、可愛がってくれたなぁ」
「…こっちは一人減ったけどまだ3人おんぞ、ああ?」
「あ?それがなんやねん」
「オトシマエ、つけてもらうで」
元々あんまり笑わない人。
声で分かる、本気で笑ってない。
『俺は認めへん』
なぁ、俺。
そんな認めへん人に、助けられてるぞ。
「ゆい、さ」
すげーカッコ悪い。
.

