周りのバイク音もなんのその。
引き留めた声は、雄大さん。
「おまっ、俺がジュース買ってきてる間になに新しい男連れて来てんねん!」
「なんや新しい男って、言い方悪い」
「新人を勝手に連れて来て…」
「雄大、お前はしょっちゅうやんけ」
「うっ…!」
何も言い返せなくなったのか雄大さんは灰になっていく。
そんな雄大さん(、と俺も)を置いて英寿さんは龍ってやつの前に立つ。
俺なら絶対に英寿さんに立たれたくない。
身長も俺より高いし、ていうか見下されただけでかなり怖い。
綺麗な顔してるけど。
それが逆にまた怖い。
「お前、なんで白虎に入りたいねん」
「ゆいさんに着いていきたいからです」
「ゆいに?」
「俺、ずっと憧れてたんで」
なんていうか、こいつすげぇ。
全然臆しない。
「へぇ?そりゃまぁ呆られへんようにせいぜい頑張れや」
「……………」
「返事はどしてん?」
「…うっす」
「英寿くん、あんま苛めんといて」
「…チッ」
なんやこのピリピリした空気は。
ゆいさんは気付いてなさそうやけど。
「英寿な、イラついてんねん」
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