「ところでゆいよ、このケツに乗せてるのなんなん?」
「あ、忘れてた」
呆然と立ち尽くす俺を無視し、雄大さんの視線はゆいさんのバイクの後ろ。
そこには何か乗っていて黒の特攻服が掛けてあって。
「なんか公園行ったら拾った、」
「あのな、白虎は動物禁止…」
「ちゃうわ、人間」
そう言い、ゆいさんは特攻服を剥ぎ取る。
そこには金髪の俺と同い年くらいの男で。
え、傷だらけやけどこいつ。
色々大丈夫?
「蓮?やっけ、今中学なに?」
「え?中2っす…」
「ほな同い年やわ、こいつと」
こいつ、と呼ばれた傷だらけの奴。
急に質問された俺もびっくりやし、どうやら雄大さんも英寿さんも同じようで。
「てなわけで、龍」
「はいっ!」
「挨拶」
「白咲龍です!よろしくお願いします!!」
「丁度同期になった蓮がおるし仲良くし」
「はいっ!」
にかっと血がついた顔で笑う龍。
でも、初対面の俺でも分かる。
こいつ、目の奥笑ってない。
無意識なのか意識してるのか。
なんかいきなりやけどすげー同期出来たな。
「ちょちょちょ!」
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