「彼女連れてくるって英寿さん変わらはったんやな」
「え?彼女?」
「そんなチャラチャラした人とは思ってなかったっす」
「え?あ、ごめん」
「なんで謝るんすか」
「いや、だって華風さんの立場知ってると思って拾ったとか言ってもうたし」
未だに雄大さんはウロウロ。
そんなにジュース握り締めたら絶対中身ぬるくなってるし。
「ごめんごめん、説明し方間違えたな」
「え?」
「華風さんは…―、」
「華風さん帰ってきました!!!」
説明と同時に重なる声。
と、新たなバイク音。
きっと俺はただの固定概念しかもっていないただの思春期野郎。
そう、なんでも思っていた通りにはならないなんて。
「ただいま」
この先、嫌でも勉強する。
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