午前2時を回る頃
私と先生は丘を下りて、家に帰ることにした。


『木下、家は近いのか?』

『ここから、歩いて1時間くらいです』

『結構かかるな』

『でも、走れば40分です!』

『お前な笑、まぁ家の近くまで送ってくよ』

『そんな、悪いですよ!』
ゆめのは、慌てた声で答えた。


『夜中に女性が1人で歩いてたら危ないだろう?』
いじわるな笑顔で語りかける。

『うっ、お願いします。』

『うってなんだよ笑』


そう笑うとふわっとゆめのの手を掴み
だした。


『先生!』
そう思わず声を出してしまった。


『しーっ!いいだろ?』

『はい…』

ゆめの自身も悪い気持ちはしなかった
むしろ、嬉しかった。





『あの先生…』

『なに?』

『どうして私を、す、好きに?』

『気になるのか?』

『はい』

『いろんな表情があるところかな』

『それって、情緒不安定ってことですか?』

『プッ!ちげぇよ、喜怒哀楽がちゃんとあって周りを見ながら、人の気持ちを考える優しさがあるところ』


『……褒め上手なんですね』

『照れてる?』

『て、照れてません!』

『かわいいな』
今度は優しい笑顔で呟きてきた



『あっ、あそこが私の家です』

『あれか、意外と家でかいな』

『普通ですよ、今日は送っていただきありがとうございます』

『好きな女性のためだからな』

『お、おやすみなさい!』

『おやすみ』



パタン…(扉を閉める音)

櫻井晴人はゆめのが家に入るのを確認した後帰宅した。


あいつマジでかわいいな。