『えっと、天体系はこのへんかな…』
ゆめのは、本棚を見つめながら歩いていたら。
ドンッ!
『キャッ!』
『うわっ!』
誰かとぶつかり転びそうになってしまった。
『ごめんなさい、本棚を見てたら…』
『木下!』
『櫻井先生!』
ぶつかったのは担任の櫻井先生だった
ゆめのは先生の私服姿をじっと見つめていた。
『先生本読むんですか?』
『まぁな、少しだけ』
櫻井先生の手元には沢山の難しい本が積まれていた。
『天文学…木下は星が好きなのか?』
『はい!星とか月とか宇宙とか!でもまだ趣味程度で…まだまだわからないことが多いです!』
『宇宙とかはまだ、わからないことが沢山あるからね』
『そうですね』
『俺、理数系の授業受け持ってるからなんかあったら職員室にでもおいで教えてやるから』
『そうなんですか?!』
『入学式の時に言ったんだけど…』
『覚えてませんでした!』
『お前らしいな』
学校では見ない、明るい笑顔
ゆめのは体温が上がるのを感じていた。
『そういえば、今度流星群がくるらしいな』
『えっ?本当ですか?!』
『来週の土曜日だったかな?』
『でも、この辺明るいから見えないな…』
『大丈夫だ、この近くに高〜い丘があるそこの頂上で見れば平気だよ』
『ありがとうございます!私見てきます!』
そう言って挨拶もせずに、ゆめのは
レジへ向かった
バタバタ
『いや、今走らなくても平気なんだけどな笑』
クスクスと1人で笑っていた。