翼をください





「はい、あ~ん」




と言って、翼の口にかき氷を運ぶ。




食べた時、翼が口を押さえてて、




「冷たかった?」




と、聞くと、




「いや、大丈夫……なんか嬉しいんだけど恥ずかしい」




そんなやり取りをしている私たちに、




「カップルだ……カップルみたい」




「唯はこんな可愛らしいことできないもんな」




「はー!?できるけどしないだけだもん!」




と、口喧嘩という名のじゃれあいが始まった。




その言葉を聞いて、顔が赤くなるのを感じた。




カップルみたいって……カップルだもん。




今思えば、それは間接キスなわけで……




私たちは恋人なんだって、改めて思った。