翼をください





「りんご飴ー!あっ、かき氷!」




「あんず棒にチョコバナナ!クレープも食べたい!」




たくさんの屋台に、私と唯のテンションが上がる。




「まだそんなに食えるのかよ」




と、怜。




「まぁ、まだ昼だし。昼と夜で分けて食べたら?」




と、翼。




「うーん……じゃあ、かき氷!」




そう言って私と唯はかき氷屋さんに駆けて行った。




唯がメロン味で、私がイチゴ味。




「おいしいっ」




夏だから冷たいものって幸せを感じる気がする。




隣を歩いてる翼に、




「はい、いる?」




と、スプーンにかき氷をのせて差し出したら、




少し驚いた表情をして、うん、と頷いた。