びっくりして、瞳を閉じる余裕もなかった。 唇が離れると、ギュッと抱き締められた。 直に感じる体温。 それが夢のように心地よくて…… 「好きだ……」 翼のその言葉に、また、現実に戻された。 嬉しくて、嬉しくて… 離れた時、暗くてよく見えなかった翼の顔。 浮かれていた私は、顔が緩んでいたと思う。 けど…… この時、私は幸せ過ぎて気付いてなかったんだ。