翼をください





桜が咲かない季節も、波のように近づいては離れる空を見るのが好きだった。




視界いっぱいに広がる空は、心地が良くて……





「なぁ、柚……」




翼が私の前に立って、真剣な瞳で私を見る。




「なに?」




私はブランコをこぐのを止めた。









「別れよう」







蒼く広がる空の下、




「え……?」




心の中の時計がカチッと止まる音がした。