「目立った後遺症はないね。」


私の病室に来た主治医であろう男の人は私の体をみてそう言った。



どうやら、私は病院にいるようだ。




自分の家ではなかった。




「篠田さん?」


私が何もしゃべらないことを不審に思った主治医は私の顔を覗きこんだ。