電車が次の駅に着いた時、やっと隣の少年が声を掛けくれた。

「もういいですよ。ほら、アレは獲物を見つけて出て行くところです」

俺がゆっくりと目を開けて顔を上げると、女性は二十歳そこらの、見た目の良い男と電車を降りるところだった。

「女の性なんでしょうか…取り憑く男もカッコいいのがいいんですかね…」

そう言うと少年はフッと笑い、言葉を続けた。

「今日はサービスしといてあげます。依頼なら1本は貰っているところですけどね」