國比呂少年怪異譚

僕が実際に小学校の生徒だった頃にあった事件。

B君はクラスメイト。

入院しているB君に、僕とクラスの数人とで一緒にお見舞いに行って話を聞くと、放課後、放送室で係の仕事をしていたら、急に放送室に女の人が現れたらしい。

髪は長め、後ろ向きで部屋の隅に立っていて、全く動かない。

B君は、驚いて放送室から逃げようとしてドアの方を振り返ったら、今度はそのドアの前で、ドアを塞ぐように後ろ向きのままで立っていた。

意味無くここに居る訳じゃない。

自分を狙っている。

そう危機感を感じたB君は、今度はドアと反対方向の窓に向かってダッシュ。

窓の鍵を開けた所で、窓に女の顔の輪郭が映ったのを確認する。

つまりさっきまでと同じ後ろ向きじゃない、こちらを向いている。

ここでB君は半分パニック状態になる。

もう窓を開ける時間さえ惜しい。

B君は窓にそのまま体当たり。

何とか放送室から抜け出せた、というのが一連の流れだったらしい。

どんな顔だったの?という僕らの問いには、『ガラスに映ったのを見ただけだから良く分からない』とB君。

服は?と訊くと『ボロい古い柄の布を何重にも重ねたようなもの』。

僕達はそれを学級新聞にしようとしたが、流石に先生に怒られた。

B君は閉所恐怖症になってしまったけど、怪我が治ると転校して他の学校に復帰。

僕が放送室の女の噂を集めるようになったきっかけになった出来事。