この関係にピリオドを

最近は、二人で出掛けることもほとんどなかった。一緒に電車に乗ったのなんて本当にいつぶりだろう。

こうやってさりげなくあたしの肩を抱いて倒れないようにしてくれる男らしさに今更ながらドキドキしている。


こんなことで気づかされるなんて、あたしは本当バカだ。ちゃんと、あたし竜樹を男として見られるじゃないか。


「・・・嘘」


満員電車に揺られ、やってきたバイト先のカフェ。だけど、もうお店は跡形もなく、別のお店に変わってしまっていた。


落胆したあたしの横でボソっと竜樹が呟いた。「やっぱり」って。


「潰れてたんだ。なんかショックだね。どこ、行こうか?竜樹?」


「いっちゃんに告白した公園に行こうか。覚えてる満天の星空の下で告白したよね?あそこ、行こうよ」


グイッとあたしの手を引き、有無を言わさず、公園へと向かう。ここから少し高台にある公園。ベンチと滑り台しかない小さな公園だけどとても星が綺麗に見える場所。


三年前のあたしの誕生日に告白してもらった思い出の場所。


「・・・良かった。ここはまだ、残ってた」


「・・・いっちゃん。今日はちゃんと話を聞いて。最後だから」


最後の言葉に大きく振り返った。最後って何?竜樹は、何も言わず、そっとベンチに腰を下ろす。


最後の言葉に衝撃を受けたあたしを隣に促して。