竜樹は、元々こんな顔だったのだろうか。「行こうか」と花火大会の会場に向かうあたしたち。差し出された手は取ったものの竜樹はあまり言葉を発しない。
ふと見上げた横顔に、妙な違和感を感じた。
あたしが知ってる竜樹はもっと子供っぽくて、子犬という言葉がぴったりだった。可愛くて人懐っこい。
だけど今、あたしが見ている横顔はそんなもの一つも感じない。二つ下にも見えないくらい精悍で男らしさと、知らなかった色気を感じてしまう。
あたしは、全然竜樹をちゃんと見ていなかったんだ。三年も付き合っていたのに、あたしは本当に最初の頃しか彼と向き合っていなかった。
彼は、こんなにも少年から大人に成長していたのに、あたしはそれに気づくこともなかった。
夜空に大きな音を響かせる花火は、ちっとも目には入らず、それを眺める彼ばかり見ているあたし。ねぇ、竜樹。この花火大会が終わったらあたし、あなたに言いたいことがあるの。
「・・・いっちゃん、久々にバイト先に行ってみようか」
花火大会はあっという間に終わった。丁度、良かった。あたしもあそこに行きたかったから。
無言でバイト先だったカフェへと向かう。カフェは大学の駅だから、ここから電車に乗って、三つ目。電車は満員。
ふと見上げた横顔に、妙な違和感を感じた。
あたしが知ってる竜樹はもっと子供っぽくて、子犬という言葉がぴったりだった。可愛くて人懐っこい。
だけど今、あたしが見ている横顔はそんなもの一つも感じない。二つ下にも見えないくらい精悍で男らしさと、知らなかった色気を感じてしまう。
あたしは、全然竜樹をちゃんと見ていなかったんだ。三年も付き合っていたのに、あたしは本当に最初の頃しか彼と向き合っていなかった。
彼は、こんなにも少年から大人に成長していたのに、あたしはそれに気づくこともなかった。
夜空に大きな音を響かせる花火は、ちっとも目には入らず、それを眺める彼ばかり見ているあたし。ねぇ、竜樹。この花火大会が終わったらあたし、あなたに言いたいことがあるの。
「・・・いっちゃん、久々にバイト先に行ってみようか」
花火大会はあっという間に終わった。丁度、良かった。あたしもあそこに行きたかったから。
無言でバイト先だったカフェへと向かう。カフェは大学の駅だから、ここから電車に乗って、三つ目。電車は満員。

