この関係にピリオドを

花火大会当日。やっぱり待ち合わせの駅はどこから来たのかと思うくらいの大勢の人だかり。待ち合わせ時刻より少し早めに来た私は、着慣れない浴衣姿で竜樹を待った。


あの時は、まだ若かったからもっと可愛らしい浴衣だったけれど、今はあんな柄の浴衣なんて着られなくて、安いけれど紺色の生地の花柄の浴衣を買った。


髪型も普段はぼさっと結ぶこともしない肩下の髪を綺麗にまとめてもらった。摩梨に。摩梨は、私とは違い手先も器用でしっかりしている。


姉御肌で頼れる存在。同い年とは思えないくらい考え方も大人。


いや、私が適当すぎるのか。仕事はしているものの、いつ切られるか分からない派遣の事務。竜樹や摩梨と会うとき以外は、特別な予定もなく、楽しみは日々のブログやネット。


ダラダラと過ごす毎日。


それが一番自分には合っているからこそ、そこに竜樹という自分の世界を邪魔する存在がいつしか、うっとおしく思えて仕方がなくなった。



でも、それも今日で最後。だからこそ、今のあたしは自分に磨きをかけたんだから。


「いっちゃん、ごめんね。お待たせ」


待ち合わせ時刻、丁度にやってきた竜樹。でも、心なしかいつもよりも元気がない気がする。前はオシャレをしたらこれでもかというほどたくさん、褒めてくれた。


でも、今日はそんな言葉すらない。