この関係にピリオドを

竜樹と別れて、あたしは少し変わった。自分に喝を入れた。もちろん、好きなものをやめようとかそんなことはしてない。ネットもブログも楽しみの一つ。


でも、そこに自分磨きをプラスした。幸せは与えられているばかりじゃ、気づかない。あたしはそれを手放して初めて気がついた。


ただ、竜樹のことは忘れられない日々。一年が過ぎても、二年が過ぎても、三年が過ぎた今でも、あんな辛い別れ方は忘れられない。


だから、寂しくなったらあの満天の星空の下に行く。もう、竜樹は幸せになったかな。あたしが二十七だから、竜樹は二十五か。


今日は竜樹と別れた花火大会の日。花火大会は毎年、第一土曜日だと決まっているから今年は明日が花火大会。


今日はここに来ると決めていたからコンビニでビールを買ってそれを片手に星を堪能しようと思っていた。それなのに・・・


「なんで、いるの?」


「いっちゃんのこと、攫いにきた」


「バカじゃないの!」


「うん。なんでだろうね。東京にはいっちゃんより可愛い子はたくさんいる。話しかけたら絶対に返事してくれるし、呼ばれて部屋に行ったら可愛い部屋着と美味しいご飯でもてなしてくれる」


「うるさい。勝手にその可愛い子とよろしくやってればいいでしょ!」