私はその場から動くことができなかった。

愛情に飢えてるとか束縛が激しそうとか、そんな風に思われてたんだ…。

明日から…いや、今から彼とその同僚と一緒に顔をあわせて仕事をする自信が私にはなかった。

恋をするとかつきあうとか、一体何なの?

――悪い子じゃないんだけどね

好きになった人は、みんなそう言って私の告白を断った。

女として見てもいなければ、思われてもいないの?

いい子として見てもいなければ、思われてもいないの?

じゃあ、私はどうすればいいの?

どうすれば、いい子だと見てくれるの?

どうすれば、女だと見てくれるの?

もうわからないよ…。

何をすればいいのか、よくわからないよ…。

彼らの顔を見るのがもうつらくて、翌日に上司に辞表を提出して、1週間後に会社を退職した。

 * * *