束縛が激しそうって、私が…?

「そんなことしないのに…」

あれやこれやと口うるさく言うことは私にはないと思っている。

愛情に飢えてるって、何が?

「そう言えば、矢萩さんは中学生の時にお母さんを亡くしたって言ってたな」

呟くように言った同僚に、
「ああ、そうなの?

へえ、そうなんだ」

彼は知らなかったと言う顔をした。

「束縛が激しそう…まあ、言われてみればそうかも知れないな。

手作り弁当とか持たされそうだし、記念日の時は手編みのセーターとかプレゼントされそう。

飯くらい自分でどうにかするし、セーターとかプレゼントされても使い勝手がわからないから困るかも」

「そう言うことだな」

ハハハと、彼と同僚はおかしそうに笑った。