じれったい

その言葉の意味がわからなくて固まっている私に、
「そう言うことだから。

また何か送られてきたものがあったら、また持ってくるから」

鈴木くんはそう言って笑った後、その場から立ち去った。

私はその場から動くことができなかった。

――矢萩は悪いヤツじゃないって思ってるよ

そう言った鈴木くんの言葉が頭から離れられなかった。

悪いヤツじゃないって、何が?

かわいそうだと思われていたことよりも、そう言われたことにわたしはショックを受けていた。

「――じゃあ、私は何なの…?」

女の子として思われていなかったのはもちろんのこと、いい子だとも思われていなかったの?

私の初めての恋は、無残にも砕け散った。

“悪い子じゃない”――彼が言ったこの言葉が後々の人生を苦しめることになるとは、この時の私は夢にも思ってなかった。

 * * *