じれったい

「じゃ、また明日」

そう言って立ち去ろうとした鈴木くんを、
「あの、鈴木くん」

私は呼び止めた。

「みかん、嫌いだった?」

鈴木くんは首を傾げて聞いてきた。

「えっと…」

私は紙袋を包み込むように抱きしめた。

「――私、鈴木くんのことが好きです…」

私は言った。

鈴木くんは驚いたと言うように目を見開いた。

「それって、俺を男として好きってことなの?」

そう聞いてきた鈴木くんに、
「うん…」

私は首を盾に振ってうなずいた。

私たちの間に沈黙が流れた。

どうしよう…?

どうすればいいの…?

私、マズいことを言っちゃったかな…。

この場から逃げ出したいと思った時、
「――ごめん…」

鈴木くんが言った。