じれったい

彼女はこの場にいる親戚の顔を見回した。

「俺のところも無理だよ!

子供が2人いて手がいっぱいなのに、もう1人なんて…」

そう言って断ったのは、先ほど叫んだ彼女の兄だ。

確か、高校生の姉妹が2人いるみたいなことを言っていたな。

これと言った交流がなかったから記憶は間違っているかも知れないけど。

「私だって嫌よ!

あの女の子供なんか引き取りたくないわ!」

そう叫んだのは、彼女の妹だ。

よく結婚していないことを、母に言われてたっけな。

彼女の妹と会うたびに、母は“いつ結婚するの?”なんて口癖のように聞いてきたっけ。

でもそれはね、あなたが心配だったからなんだよ。

あなたが心配だったから、母は口うるさく言ってたんだよ。

心の中で言った声は、彼らの耳には届いていないことだろう。