遊ぼうと声をかけても、みんなは私のことを避けた。

担任も私のことをまるで腫れものにでもさわるかのような態度で私に接した。

周りの先生たちも私のことを特別扱いしているような気がした。

どうして?

何で?

急に変わってしまった周囲の態度に、まだ幼かった私は戸惑うことしかできなかった。

同時に、私が当たり前だと思っていた何もかもが他の子たちと全て違うことに気づいたのだった。

厳しい母のせいで友達はおろか、誰も私と仲良くしてくれる人がいない。

グループ授業も、体育の授業も、野外学習の班も、誰も私を仲間に入れてくれる人がいなかった。

「ほらほら、仲間外れはよくないですよ。

矢萩さんもちゃんと仲間に入れてあげないとかわいそうでしょ?」

1人になった私を担任がグループに入れるようにと仕方なく呼びかけて、仕方なくどこかのグループへ入れられる。

誰1人も友達に恵まれることなく、小学校の6年間を過ごしたのだった。

 * * *